
AIで営業資料を作る前に決めるのは、ページ数より「相手に何を判断してほしいか」です。目的が「新サービスの紹介」だけでは、会社概要と一般論が続き、提案の条件が見えない資料になりがちです。読み手、判断、根拠、対象外を先に整理し、一枚ごとの結論へ変えます。
この記事では、架空の「店舗写真整理サービス」を商店会の担当者へ提案する例を使います。サービス、商談、原稿は説明用です。実在の顧客案件、生成されたPPTX、導入成果、作成時間を示すものではありません。
1. 元のテーマを意思決定のメモへ変える
元のテーマが「AIを使ってお店の写真を整理するサービスの営業資料」だけなら、次のメモを追加します。
- 読み手:加盟店向けの支援内容を検討する商店会担当者。写真整理の専門家ではない。
- 求める判断:加盟店の素材状況を確認する打ち合わせを行うか。
- 結論:契約を急ぐのではなく、写真点数、利用目的、権利確認の状況を先に整理する。
- 提案:写真の候補一覧と、トップ・商品・アクセスの用途メモを作るサービス。
- 根拠として出せるもの:成果物の形式見本と、作業手順の説明。
- 未確認:加盟店の写真点数、作業負担、予算、導入効果。数字を推測で足さない。
- 対象外:撮影、画像の権利取得、サイト実装。納期と価格は範囲確認後に相談。
読み手がその場で承認できる範囲を超えて「契約してください」と締めないことがポイントです。この例の最終行動は、導入ではなく確認の打ち合わせです。
2. Soranoruへの入力例
スライド作成画面では、テーマや目的、読み手、含めたい内容に対応する欄へ情報を分けて入力します。資料の基本構成はPPT資料の作り方でも確認できます。
商店会担当者向けに、店舗写真整理サービスを説明する営業資料を8枚で作ります。架空の提案例です。目的は、加盟店の素材状況を確認する打ち合わせを行うか判断してもらうことです。最初に結論を置き、背景、提案、成果物の形式見本、選択肢の比較、進め方、次の行動へつなぎます。写真点数、作業時間、予算、導入効果の実測値はありません。統計、顧客の声、削減率は作らず、未確認事項と提案を区別してください。撮影、権利取得、サイト実装は対象外です。各スライドは一つの結論と、それを支える短い説明にしてください。
原資料がある場合は、その数字の対象期間、集計範囲、出典を添えます。相手の個人情報や公開権限のない社内資料を、例文を充実させるためだけに加える必要はありません。
3. 8枚分の完成原稿と役割
次は、入力前に編集した完成原稿の見本です。見出しだけの目次ではなく、一枚に載せる主張と本文を示します。実際の自動生成結果やダウンロード資料ではありません。
1枚目:店舗写真整理サービスのご提案
本文:商店会の加盟店が持つ写真を、ホームページで使う場所ごとに整理するサービスの提案例です。本日は、素材状況を確認する打ち合わせを行うかをご相談します。
役割:題材と今日求める判断を示します。実在の団体名や未合意の実施日を入れず、提案例であることを表紙にも残します。
2枚目:まずは素材状況を確認する場を設けませんか
本文:写真の点数、用途、利用許可の状況が分からない段階では、作業範囲を決められません。導入の判断前に、確認項目を担当者同士で整理することを提案します。
役割:結論を先に伝えます。いきなり費用削減や売上向上を約束せず、判断に必要な次の段階を示します。
3枚目:写真の不足と、整理の不足は別の課題です
本文:手元に写真がない場合は撮影の検討が必要です。写真はあるが用途を決められない場合は、候補と説明の整理が対象になります。各加盟店がどちらに当たるかは未確認です。
役割:事実と仮説を区別します。「加盟店は全員困っている」と断言せず、打ち合わせで確認する論点として置きます。
4枚目:候補写真と用途メモを一組にします
本文:提供するものは、候補写真の一覧と「トップ」「商品紹介」「アクセス」などの用途メモです。撮影、写真の修整、権利取得、サイト実装は含みません。
役割:課題に対応する提案と境界を示します。機能一覧より、相手が受け取るものを具体的にします。
5枚目:成果物は、この形式で確認できます
本文:外観写真の用途メモ例は「アクセス:看板と入口の位置が分かる」。商品写真の例は「商品紹介:商品名と価格の近くへ置く」。これは形式の見本で、実在店への納品実績ではありません。
役割:根拠のない実績グラフの代わりに、成果物の形式を見せます。図にするなら写真の縮小見本と用途メモを一対一で並べ、権利を確認した素材だけを使います。
6枚目:作業範囲で選択肢を比較します
本文:店内で整理する方法は素材を把握する担当者の作業時間が必要です。整理相談を使う方法は候補一覧と用途メモが対象で、撮影は含みません。撮影から依頼する方法は新しい素材を用意できますが、整理や実装まで含むかを見積もりで確認します。費用と期間は共通条件がそろってから比較します。
役割:自社案だけが有利になる比較を避けます。比較表にする場合は「対象範囲」「依頼側の作業」「費用の確定条件」を同じ行で比較します。未確認の価格は埋めません。
7枚目:範囲を確認し、合意後に作業を進めます
本文:素材状況を確認し、対象範囲と見積もりを整理します。合意後に写真の受け渡し方法を決め、候補一覧と用途メモを作成します。確認方法と修正範囲も事前に相談します。
役割:契約前の確認と、合意後の作業を分けます。未合意の担当者名、納期、修正回数を営業資料だけで確定させません。
8枚目:打ち合わせの可否と、確認担当をご相談ください
本文:次に確認したいのは、素材状況を整理する打ち合わせを行えるか、誰が情報を確認するかです。加盟店の写真点数、用途、利用許可の確認方法を議題として提案します。実施日と対象店は、合意後に決めます。
役割:「ありがとうございました」で終えるだけでなく、相手が回答できる事項を示します。導入や費用の承認を得たと誤読される締め方にしません。
4. ストーリーが通っているかを点検する
見出しだけを読むと「提案の紹介→確認の場を提案→課題の切り分け→成果物→見本→比較→進め方→次の判断」になります。結論から最後の行動まで、同じ打ち合わせを求めていることを確認します。
本文が多い6枚目は、図表化や補足資料への分離を検討できます。ただし、文字を極端に小さくして一枚へ押し込むより、比較軸を残して文章を削ります。一枚一メッセージは、一枚に情報を詰め切るという意味ではありません。
5. 生成後の誤りと修正例
- 「作業時間を50%削減」:この例には計測データがありません。「作業時間の変化は導入後に計測する項目」へ直し、成果として表示しません。
- 「多くの店舗が導入」:実績の出典がなければ削除します。形式見本を導入事例と呼び替えません。
- 3枚続けて市場一般論:相手の判断に必要な背景だけを残し、提案の対象と条件を早めに示します。
- 「契約はこちら」で終了:目的が確認打ち合わせなら、最後の行動を打ち合わせの可否確認へ戻します。
6. 原稿・画面・書き出しを別々に確認する
- 原稿で、事実、仮説、提案、未確認事項を読み分けます。数値には対象・期間・出典があるかを確認します。
- 生成後の画面で、見出しだけでも流れが追えるか、本文や図表が切れていないかを確認します。
- 修正後に保存し、開き直して内容が残っているかを確認します。
- 利用する形式で書き出し、実際の閲覧・編集アプリで開きます。改行、図表、フォント、ページ順、リンクを確認し、編集画面での合格だけで提出可能と判断しません。
PPTXとPDFの使い分けは、編集する相手と配布先を決める際の参考になります。AIは構成を整理する助けになりますが、根拠の作成や相手の合意を代行するものではありません。